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2018.3/3-6 霧島の雄叫びに哭いた 第十九章 瓜二つ

第十九章 瓜二つ

 本当はゆっくりしていきたい場所だが、今回はせわしない。鹿児島市交通局の路面電車に乗る必要があるから、鹿児島市内を東西に大きく移動することになる。まずは路面電車の一端である谷山停留所に向かうべく、指宿枕崎線で谷山駅を目指すことにした。山川行きの出発は14:34であるから、この間に鹿児島土産を見学しておく。

 初めて知ったが、軽羹饅頭というのは、いい値段がする食べ物だ。アルバイト先の塾で勤務する総勢約十五人全員分買えばかなりの額になるし、生ものだから日持ちもしない。実に扱いにくい土産である。

 荷物を増やさず指宿枕崎線ホームに降りると、ちょうど山川行きが到着して、大勢の乗客が車内に押し寄せる様子を見た。当路線は地方交通線であるが、途中の喜入駅までは乗客が多く、鹿児島市の郊外と市中心部を結ぶ主要路線として機能している。それを裏付けるように、この区間では日中でも二十分に一本の本数が確保されている。

 車両はキハ200系という真っ黄色の車両だ。元々「なのはな」の愛称を持つ特別快速用に考案された塗装であるから、JR西日本の115系の様に「末期色」と揶揄する鉄道ファンはそういない。現在そのなのはな号の立場を引き継いでいるのが、特急指宿のたまて箱号である。
なのはな201803鹿児島中央

 市の中心部から、並走する道路や沿線の民家に都会の雰囲気を保ったまま南下し、14:45谷山駅に到着した。列車を降りると、予想に反して近代的な高架駅であったことに驚いた。階段を降りて改札へ歩いていると、妙な違和感がある。どうも、既視感があって仕方がないのだ。

階段を降りた先には少し間を置いて自動改札機がある。建物の作りは木を基調としていて、最近改築された駅舎であることは疑いない。

 そうか、と閃いた。

 この造りは、昨日降りた上熊本駅と瓜二つではないか。両者とも一面二線の高架駅で、ホームと改札機までの通路は、全く同様の構造である。ということは駅舎も、と思って外観を見ると、やはりそうであった。上熊本駅は最外層が柵状板で覆われる点で違うが、茶色の巨大な駅舎は、共通する思想を感じさせた。これはどちらも、水戸岡鋭治氏考案の駅舎である。

 鹿児島市交通局の谷山停留所は、谷山駅とやや離れている。注意していれば指宿枕崎線下り列車の左車窓から、眼下に谷山停留所を見下ろせるわけだが、要するに途中の車窓の一部になる程度には離れている。両者の間には永田川という川を挟んでいて、完全に隔絶されている様な趣もある。
谷山停留場201803

<<次回に続く>>
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こだま827号

Author:こだま827号
職業:大學生 醫學部醫學科
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好きな作家:宮脇俊三、笹沢左保、上野正彦
愛読書:JTB時刻表

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