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2019.3/17-23 時間旅行 第二十三章 名物

第二十三章 名物
唐揚げそば201903

15:01、成田行きに乗り込み、成田空港駅、ではなく東成田駅を後にした。15:07成田駅到着。間が開いているが、15:23まで成田空港行きの特急はやってこない。こういう時、普通なら改札を出て駅舎を撮りに行くのだが、東成田駅から成田空港駅までのきっぷを買っているため、駅舎内にいる他ない。

一番乗り場で特急を待っていると、スーツケースを持った中国人家族が目についた。今日日日本中何処にでも中国人観光客を見る様になり、ついつい怪訝な目で見てしまう。中国と中国共産党が別物であることは知っているのだが、スパイかどうかを見分ける術がない。やはり中国人を見るといい気分にならない。中国共産党のせいで、一般中国人が風評被害を食らっている訳で、気の毒ではある。

駒井野信号場で左に旋回した京成本線は、すぐトンネルに入り、空港第2ビル駅に停車した。そのまま少し地下を走り、呆気なく成田空港駅に到着した。スーツケースの客がぞろぞろ下りて行く。それもそのはず、この電車に乗ってきた客の中で、飛行機に乗らない私の方が圧倒的に少数派である。

京成本線の乗り場から改札外へ出るには、二つの改札を抜ける必要がある。当時は何故二つの改札があるのかわからなかったが、翌年ここを再訪した際に、その意味がはっきりした

ここは成田空港最寄りの駅というよりは、成田空港に組み込まれた駅、という感じだ。国内線、国際線といった案内表示が煌びやかに灯され、案内カウンターだらけである。比べるのもおかしいが、旧成田空港駅とは全くの異世界だ。

ここまで来ておいて、検問も通らず引き返すのは何だか気が引けるが、搭乗券も何も無い以上仕方ない。私は少し改札外をぶらついてからUターンの形で、JRの改札を北東パスで通り抜けた。

成田空港の第一及び第二の両ビル駅には、JR、京成本線、京成成田空港線の三本の路線が入っており、駅は共用なのに線路が別だから、全てを乗り尽くさなければならない。二本しかなければ、往復で違う路線に乗ればいいだけだが、三本となると面倒である。悩んだ挙句、結局成田空港線を残しておくことにした。またいずれ、飛行機で成田空港を利用し、そのついでに乗るつもりである。
成田空港駅スカイアクセス掲示板201903
成田空港駅スカイアクセス201903

ということで、帰りはJR成田線で成田駅を目指す。成田線の空港支線は、かなりの距離で成田空港線と並走している。先程の京成本線は、今隣にある成田空港線の更に向こうにあり、成田空港駅の時点で完全にJRとは分かれている。もうすぐ成田駅だろうかと思った頃、こちらの高架は標高を下げ、やがて左に旋回して成田空港線を潜った。右側から銚子方面の線路が合流してくると、そこは四方向の成田線が結節する成田駅である。以前「レールファン」の先輩方と銚子方面へ向かった旅のことが懐かしい。

その際本線部分は制覇してある。たった今空港支線を始末したので、残るは我孫子駅に至る通称我孫子支線のみである。我孫子支線は常磐線の我孫子駅成田駅とを結ぶ32.9kmの路線で、全線単線電化である。扱いは支線であるが、1901年の開業以来、常磐線と成田、木下を結ぶ重要幹線として機能している。常磐線本線への直通運転も多く、成田発上野行きなども見ることができる。
成田駅我孫子支線201903

16:15、最も改札から離れた六番乗り場から、いかにも常磐線らしいE231系電車で成田駅を出発した。これを見ると、寧ろ常磐線の支線に思える。機能的にはそうとも言える。成田駅の次はいきなり難読駅が待っている。

下総松崎。誰だって「しもうさまつざき」と読みたくなるが残念、これは「まんざき」という。読み方の由来は調べてもよくわからない。ただの訛りとされている様である。駅自体は特筆すべきことがない。
下総松崎駅名標201903

次の安食駅小林駅の間では、印旛沼から流れてくる長門川を渡った。印旛沼といえば老中田沼意次の印象がどうしても強いが、沼自体は自然に形成されたものである。現在の印旛沼は、1969年の中央干拓地造成により、北・西両印旛沼に分断されている。両沼の間は、細い中央排水路を介して繋がっている。

途中駅で扉が開くと、車内に風が殴り込んでくる。どうも飛行機のせいで空港周囲が荒れていたわけでもないらしい。一体天気はどうなっているのか、と思っている頃、主要駅木下に停車した。これもまた難読で、「きのした」ではなく「きおろし」と読む。今でも宿場町として栄えた痕跡から、大きな街を形成している。

16:56、終点我孫子駅到着。成田線完全制覇となった。我孫子市の中心駅で、常磐線各駅停車の運行拠点でもあるが、特別快速も特急も停まらない不思議な駅である。我孫子駅と言えば名物を食べていかないといけない。

立ち食いそばは日本全国どこにでもあるし、なんの変哲もないものが多い。姫路のえきそば高松のうどんあたりは特色であるが、そういう個性的なものは少ない。そんな特殊な駅そばが、我孫子駅にはある。

弥生軒6号店という店に入ると、コの字型の卓が設けられ、中には黙々と丼に向かう客が見える。私は「唐揚げそば」を注文し、狭い店内に入った。
弥生軒6号店201903

色が濃い出し汁の関東風そばに、丼の直径をゆうに超える唐揚げが二つ並んだ丼が現れた。この圧倒的な見た目は、明らかに唯一無二である。さてどこから手を付けるべきか。困ったがそばのつゆを啜ってみる。醤油が利いた濃い目の味付けで、そばによく合う。

とりあえず唐揚げを持ち上げてみると、非常に重たい。噛み付いて見れば立派な鶏もも肉だ。皮付きで、食べごたえも凄まじい。そしてつゆを吸ってやや潤びた薄味の衣が、中の鶏肉とよく合っている。この唐揚げが二つも入っている下に、そばが一人前潜んでいるのだから、五分で流し込むそこらの立ち食いそばとは大違いだ。一つ文句を言うとすれば、唐揚げは作りおきで冷めていた。

この唐揚げとの格闘を楽しみながら、店員氏と客のやりとりを耳に挟んでいると、唐揚げだけを注文している客が一定数いることがわかる。立ち食いそば屋でありながら、目玉商品は唐揚げなのだ。食べ盛りの男子学生だけでなく、小腹を空かせた女子高生もやってくる。

唐揚げの油分に対して、そばは箸休めとして働いていた。私にとっても、主役はあくまで唐揚げだった。こんな面白い料理には、そうそう巡り会えない。来て正解だった。胃袋も充分満たされたことだし、本日の宿がある北千住に移動する。
我孫子駅名標201903

常磐線上り快速電車は、次の柏駅をなかなか出発してくれない。乗客が狼狽え始めると、車掌氏が
現在上りせ、あ、今入りました情報によりますと
と慌てた車内放送を始めた。今新たに入った情報に依ると、架線に引っかかっていた障害物の撤去作業が終了したため、運転再開するとのことだ。

成田空港以来の強風は、ここでも吹いていた。しかしすぐに撤去作業が済むのが流石は日本の鉄道である。その後快速は、回復運転でモータが唸るほどの猛加速を見せた。

北千住のカプセルホテルは、非常に快適であった。

<<次回に続く>>
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こだま827号

Author:こだま827号
職業:初期研修医
趣味:鉄道旅行、旅行記執筆、音楽、写真撮影、動画制作、醫學研究
好きな作家:宮脇俊三、笹沢左保、上野正彦
愛読書:JTB時刻表

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